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2018年2月27日 (火)

アトピーの新薬(デュピルマブ)

アトピーの薬と言えば、ステロイド、タクロリムス(プロトピック)などが主流ですが、それとは作用機序の違う新薬がそろそろ登場するそうなのです。

ステロイドのおかげで大の薬嫌いになった私はこの手の情報はあまりチェックしてなかったのですが、昨年(2017)の早い時期にはそういった情報が出回っていたようです。

2017.5.22の記事です。
記事ではデュピルマブ以外にもいくつか薬の名前が挙げられていました(「JTE―052」「ネモリズマブ」などですが、まだ治験段階でデュピルマブより時間がかかりそうな様子です。「デュピルマブ」は今年に入って厚生労働省から承認されたとのことです)。

ここにきていろいろと出てきましたね。
これはステロイドやタクロリムスだけではうまくいっていないことの裏返しではないかと密かに思っているのですが、穿った見方でしょうか?(ステロイド忌避患者がいるから開発されているとは思えない…わざわざ毎回のように私が皮肉を言わないといけないのはステロイドでコントロールできると豪語するお医者さんが後を絶たないからです。もちろんコントロールできる事例もあるのでしょうが、できない事例もあるのに、それに触れないのはおかしいのです。これも皮肉になってしまいますが、この新薬が使えるとわかったらステロイドを否定する声が増えてくるのかもしれません)
それはともかく、素人眼ではありますが、今回はこのデュピルマブについて少し触れてみたいと思います。

まずはデュピルマブの作用機序についてです《デュピクセント(一般名:デュピルマブ)の作用機序(参考)》。
アトピー性皮膚炎の急性期の病巣部位にはTh2細胞が多く集まるそうです。
そのTh2細胞がIL-4やIL-13と呼ばれるサイトカインを産生するのですが、これらが受容体に結合することで炎症反応が誘発されアトピーの症状になると考えられています。
デュピルマブはこの受容体を特異的に阻害し、炎症反応を起こさなくするとのことです。
なんでも4割ほどの患者に効果が見られたとか。

これだけの情報から感じるのは人体への影響はステロイドよりも限定的なものだろうと言うことです。
良い意味でも悪い意味でもステロイドよりピンポイントに働きそうで、副作用は少ないような気がします。
以前にも「ステロイドは万能薬?」などで(それ以外でも)お伝えしているのですが、ステロイドは人体の様々な機能に関わっています。
人体の何に影響があるかなどは本当のところは予測不能なんだと思います。
それはステロイドを長く使っている人や使っていた人の話を聞いて納得できるところなのですが、予測不能だけでなく証明(測定)不能でもあるため、それらは眉唾エピソード(特にアトピーを知らない一般の方やステロイドを推進する人にとって)になってしまうのだと思います。

それはともかく、はじめ私は限定的な範囲でしか効かないと考えたので、このデュピルマブの期待値は低いと見積もりました。
それは上記の作用機序から急性期に有効であると推測できることと、そもそもアトピーは様態をもってそう診断されるのであって、必ずしもこの作用機序に合致するものだけとは限らないと思ったからです。
そのあたりは素人の私からは中々わからないところなのですが、とあるアトピー研究論文(概説)から、意外とこの薬の適用範囲は広いように感じられたため、考え直しました。
HR-ADという飼料を食べさせたマウスがAD(アトピー)になるのですが、それが食事で改善すると報告しています。

概説ですがこういう論文を読むのは苦手という方も多いと思うので(私も…)、ごくごく簡単に結論を要約します。
HR-AD飼料は元々マグネシウム欠乏の特殊飼料として開発されたそうです。
その他のこの飼料の特徴として脂肪分が少ないとのことでした。
当然といえば当然なのでしょうが、そういう特殊な栄養分の飼料で発症したアトピーに対して得られた結論は飼料の摂取についてでした。
一つ目は脂質に関するもので主にリノール酸の摂取が皮膚バリア機能改善に有効な場合があるとのことでした(他の脂肪酸にも有効なものあり)。
もう一つはデンプンの摂取が有効だったとのことです。
ちなみに、マグネシウムをはじめミネラル分の摂取による症状の改善は見られなかったそうです。
また、このHR-AD飼料を食べたマウスでもアトピーになる種とそうでない種がいるとのこと、遺伝的な要素ですね。

これはマウスによる実験ですが、人間にも当てはまるような気がします(このあたりは私が脱ステおよびアトピー闘病生活を経験して感じたことと重なるところやより考えさせられるところもあります。「脂肪とアトピー」シリーズ参考)。
ちなみにHR-AD飼料でマウスがアトピーになるのは以前からよく知られているそうで、実験でよく利用されるようなのですが、この視点が人間のアトピーに適用されることはあまりないような気がします。

結論とは直接関係ないのですが、この論文の中でもIL-4やIL-13などのインターロイキンの増加について触れられていました。
アレルギーではない(と言い切れるかどうかは不明ですが…)食餌誘発アトピーでもインターロイキンが増加するとのことですから、必ずしもアレルギー反応だけに有効だと決めつけられないのかもしれません。
アトピーという様態にIL-4やIL-13などが関与していると考えられるなら、もしかすると元々のアトピーの原因に関係なく効果が期待できる薬なのかもしれません。

ただ、これも素人の個人的予測に過ぎませんが、長年ステロイドを使ってその副作用が進みすぎている症状(皮膚萎縮など)については、残念ながら効果はないと考えています。
それは副作用の症状にIL-4やIL-13は関係ないと考えるからです。
もちろん、副作用と合わせてアトピーの症状も出ている可能性があるので、症状の緩和は期待できるかもしれませんが…。

後、気になるのは、IL-4やIL-13の受容体を阻害することが身体の機能にどう影響するかです。
また、それ以外にも影響を与えてた、なんてこともあるかもしれません。
こればかりは今のところ誰にもわからないのかもしれません。
もちろん、正式に薬として承認されたのなら、少なくとも短期使用において問題が起こらないのは証明済ということですが…。
この薬が効くにしても効かないにしても、根本原因対策をする必要があることに違いはありません。
効くからといって、それにあぐらをかいていると、いずれ「痛い目」にあうような気がします。

余談ですが、「デュピルマブ」は注射剤だそうなので、最初から「痛い目」にあうことになりますね

 

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健康」カテゴリの記事

コメント

きっとこれからも新しいものが出続けるんでしょうね。
そしてそれは何を意味するか。

ステロイドで廃人になった人間に対する誠意ある謝罪の意は
この先も永遠に無いのでしょうね。

被害者の何が悪かったのか

私は一被害者として、自分の無知を責める事しか出来ません。

物事には原因がある
元を正さなければ正しい解決は出来無い

そんな基本的なことが身に付いていなかったばっかりに、と。

瑠璃色さん
コメントありがとうございます。

> きっとこれからも新しいものが出続けるんでしょうね。
今までもブログに書いてきましたが、人は常に便利を追い求めているようです(特に日本人はそうですね)
ですので、薬で簡単に治したい。
これは永遠に続くでしょう。
> そしてそれは何を意味するか。
この薬がどういう結果を生むかはわかりませんが、便利さの裏側には必ず弊害が潜んでいるような気がします。

>
> ステロイドで廃人になった人間に対する誠意ある謝罪の意は
> この先も永遠に無いのでしょうね。
そうですね。
ネットニュースなどで稀にアトピーの記事などが出ますが、物事が解決に向かうどころか曖昧さを増しているようにさえ感じます。
ステロイドについても曖昧になっていると感じます。

>
> 被害者の何が悪かったのか
最近は「ステロイドは使い方を適切に」が新聞などでも当たり前になってきました。
まるで患者が悪いみたいですが、さて本当のところは???
以前は「ステロイドは怖くない」が主流で、皮膚科医がガンガン使わせていましたが…
皮膚科医のみなさんに皮肉っぽく言わせてもらうと「上手にソフトランディングしましたねー」っといったところかな。

>
> 私は一被害者として、自分の無知を責める事しか出来ません。
以前は何も情報がありませんでした。
お医者さんには全幅の信頼を置いてました。
だから自分を責めることはしないでください。

>
> 物事には原因がある
> 元を正さなければ正しい解決は出来無い
>
> そんな基本的なことが身に付いていなかったばっかりに、と。
これは基本的なことではありますが、必ずしも簡単なことではないと思います。
これからも紆余曲折あると思いますが、瑠璃色さんがうまくいくように心より祈っています。

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